英検1級二次試験の内容は、日常会話、スピーチ、質疑応答の3つです。この記事では、「スピーチができるようになるには何をすればよいか」を伝えます。
スピーチは、まず英検側が準備した5つの議題(トピックと呼びます)が書かれたカードを見ます。トピックのサンプルは公式サイトで公開されています。

(ページ下部、「二次試験」セクションの「問題サンプル」をクリックして閲覧できます)
1分間の間に、1つのトピックをえらび、スピーチの内容を考えます。それから間髪入れずに2分間のスピーチをするように言われます。
スピーチは、きちんとした構成で、トピックに相応しい内容でなければいけません。 一次試験の英作文とほぼ同じ内容のトピックですが、
- 厳しい時間制限あり
- メモが取れない(頭の中に書くしかない)
- 途中で修正したり戻ったりできない
という負荷があり、私にとっては英作文よりずっと難易度が高いです。
多くの人は、少ない準備時間で一人で2分間喋り続けることに慣れていないし、話す内容も難しいので途方に暮れるでしょう。
私は最初全くできませんでしたが、工夫を重ねた対策で合格レベルには上達しました。
準備不足で二次試験を受け、落ちて、半年以上かけて勉強して合格した後、「最初から知っておきたかった~~」と思う5つの対策を紹介します。
要約すると、以下のとおりです。
- 使える言い回しや単語を、とっさに言えるレベルまで暗記する
- トピック別の知識、話すネタを集める
- 何事も結論から伝える訓練をする(一番難しい!?)
- 模範回答のリスニングでスピーチ全体のイメージを掴む
- 本番と同じ条件で実践する(それまで過去問は一度も見ずにとっておくことが望ましい)
一つずつ解説していきます。
1. 使える言い回しや単語を、とっさに話せるレベルまで暗記する
参考書の始めの方に、トピックを問わず使えるフレーズが紹介されていることがあります。
例として、
この本の第2章や、
この本の第1章があります。
さらに、英作文やスピーチの模範解答で「使えそうだな」と思ったフレーズをマーカーで引いて、書き留めます。
私はまずマークした単語やフレーズをパソコン(Evernote)に打ち込んで、「話題を問わず使えるもの」「トピック別の専門用語」などのジャンルに分けました。
その後、下の画像のようにノートに書き写して、答えを隠しながら暗記するまで復習しました。

コツは、「もともと知ってたけど、自分では使わなかった」レベルの単語や表現を選んで覚えることです。全然知らなかった単語は覚えにくいし、既知の単語に置き換えた方が賢明です。なるべく避けましょう。
下記のEvernoteのページに、私が実際に頭に叩き込んだフレーズをまとめています。
大変に感じるかもしれませんが、一次試験の語彙問題と比べたら100倍簡単だし、数も少ないので絶対できます。
この中で特に役に立ちそうな例を紹介します。
おすすめ1:接続詞 Furthermore, However, Therefore
日常会話で、”and, but, so”と言うところにこれらの接続詞を入れるだけで、ちゃんとしたスピーチらしくなります。
Gender equality is significantly important issue in today’s world, and politicians’ comments about gender raise a lot of attention. But quite a few Japanese politicians are accused of female harassment. So I think Japan is left behind the global standard.
上記の文章を、
Gender equality is significantly important issue in today’s world. Furthermore, politicians’ comments about gender raise a lot of attention. However, quite a few Japanese politicians are accused of female harassment. Therefore, I think Japan is left behind the global standard.
このように変えるだけで、大きく雰囲気が変わりませんか?
おすすめ2:単語 significant / significantly
上の例文でも使用した “significant” “significantly” は、「たいへん、とても、有意に、重要だ」という意味があり、とにかく自分の言いたいことを強調したいときは大体使えます。
“very” “important” “so”など、ついつい使いすぎてしまう単語に置き換えられて、賢そうな雰囲気を出せる便利ワードです。
“Significant” is significantly significant word.
by 私
2. トピック別の知識、話すネタを集める
頻出分野を中心にまんべんなくやります。「得意な2つに絞る」などはリスキーすぎます。得意分野が出ても、聞かれ方によってすごく答えづらかったりします。
とっつきにくい場合は得意分野から始めるのは良いとおもいます。ただ、詳しくなくても意外にすんなり喋れるトピックもあるので、なんでもやってみましょう。
参考書の内容、その他の媒体で見た意見、自分の意見と経験、自ら調べたデータ(パーセンテージや、数、時間など)を材料にしていきます。これらをバランスよく織り混ぜると好印象のスピーチが作りやすいです。
あまり深入りすると時間がかかるし、どうせ覚えられない難解な内容が増えていくので、広く浅くがよいです。
ここで見落としがちだけど大事なのは、「反対意見も頭に入れること」です。
- 一方的に自分の意見を述べるよりも説得力が増す
- 長さを稼げる。
- 質疑応答対策になる。
など、メリットしかありません。
「ワクチン接種の是非」や「核兵器の是非」など、一方の意見しか思い浮かばない場合も必ず反対の意見があるので、色々な価値観を取り入れましょう。
3. 何事も結論から口に出す訓練をする(一番難しい!?)
スピーチの形式には特に指定がないものの、英作文と同じように”introduction” “body” “conclusion”の構成を組むのが無難です。
bodyには、自分の意見を支持する2~3個の理由を書きます。明瞭でわかりやすいスピーチにするには、最初の文章を「パラグラフの要約」にすることが大事です。1分間の準備時間に、パラグラフの最初に持ってくる文を作れるかどうかが勝負です。
たとえば、
「ワクチン接種が行き渡らないと、個人のみならず周囲の感染リスクが上がり、集団感染が発生しやすくなる。その結果、死亡や重度の後遺症に苦しむ人が増加し、人々のQOLが悪化する。」
ではなく、
「ワクチン接種率の低下は人々のQOLを下げる。なぜなら、個人のみならず周囲の感染リスクが上がり、集団感染が発生しやすくなる。その結果、死亡や重度の後遺症に苦しむ人が増加するからだ。」
こちらの方が望ましいです。
試験官にとって分かりやすいのはもちろんのこと、自分の言いたいことをはっきり認識しながらスピーチできるというメリットが一番大きいです。
最初に理由を述べながら結論に辿り着く方法だと、しゃべっている間に「なんの話だっけ?」と迷子になりやすいです。
また、要約をはっきりさせておくと、最後の段落で ”for these reasons I mentioned before, “のあとに、繰り返し要約文を述べてから結論を言えます。すると、最後までリッチな印象のスピーチができるし、残り時間があまりそうな時の調整にも役立ちます。
私にとってはこれが一番難しかったです。30年間頭に染み込んでいる「思考の癖」を変える必要があったからです。
日本人は一般的に「理由→結論」もしくは「行程→結果」の順で話すことが多いと思います。「着心地がいいから、この服好き。」とか「昨日飲み歩いてたら、財布なくした」といった感じです。
普段からこの話し方なので、思考の順番も同じ順番になっていたようです。そのため、いくら「2つ(もしくは3つ)の理由」を一文にまとめようとしても、それを支持する説明ばかりが頭に浮かんでしまうのです。
上の例で言うと、「ワクチンがなかったら、感染者が増えるから、そうなると…えーと、えーと…」という感じです。
この「思考の癖」を英検に向けて矯正するために、普段から結論を先に話す、もしくは考えるトレーニングをしていました。
「今日だるいから休むわ。」→「今日は休みます。体がだるいからです。」
「過ごしやすい気候になってきてよかった~」→「私はうれしい。過ごしやすい気候になったからだ。」
こんな風に考えられるようになったらかなり楽にスピーチできます。
4. お手本スピーチのリスニングで全体のイメージを掴む
お手本スピーチを適度に集中して延々聞き続けます。集中しすぎると疲れてしまいますが、聞き流しはいつまでたっても頭に入らないので、「適度に集中」がおすすめです。
私は旺文社の過去問題集の模範回答のスピーチを延々と聞き続けました。1冊でモデルスピーチが30回分聞けます。
聞き続けるメリットは、
- 2分間のイメージが身につく。(一つのパラグラフにいくつぐらい文章を入れて、どれくらい掘り下げた内容にするちょうどいいかが分かる)
- スピーチの型が頭に入る。(Introduction, Body, Ending)
- キーワードやスピーチの内容も徐々に覚えられ、引き出しが増える
です。
多くの模範回答が一次試験のライティングに準じた型になっていますが、一部「一つの意見を掘り下げていく」タイプの回答もあります。これは真似するのが難しいので、スルーして良いかもしれないです。
模範回答はとても洗練された内容で、「こんなの無理だー」と凹むかもしれませんが、ここまでのクオリティーがなくても合格できるので安心してください。
5. 本番と同じ条件で実践する
実践は、ある程度準備を進めてからが良いかもしれません。
タイマーやストップウォッチできちんと時間を測ります。1分間で初見のトピックを読み、選び、スピーチを考えて、すぐに2分間のスピーチをする、という本番と同じ条件の練習をできるだけ多くやります。
この練習をするまで、過去問を見ずに取っておいた方がよいです。過去問以外の問題集だと、本番みたいに5つのトピックがずらっと並んでいなかったり、本番よりやや平易な内容かもしれないからです。

このサイトでは、英検1級二次試験問われそうなトピックを5つセットで、膨大な量を練習できます。無料な上、タイムリーな社会問題も随時更新されていて質も高いです。先にこちらで練習するのがいいかもしれません。
やってみた結果、ボロボロでもあまりヘコまないでください!ボロボロが普通です!(多分…)
同じトピックについて何度かスピーチを繰り返してみたり、違うトピックもしゃべってみたりして、補足の練習をしてみましょう。きっと本番に役立つはずです。
以上、長くなりましたが英検1級二次試験対策のまとめでした。
スピーチができるようになる方法は
- 使える言い回しや単語を、とっさに言えるレベルまで暗記する
- トピック別の知識、話すネタを集める
- 何事も結論から伝える訓練をする(一番難しい!?)
- 模範回答のリスニングでスピーチ全体のイメージを掴む
- 本番と同じ条件で実践する(それまで過去問は一度も見ずにとっておくことが望ましい)
の5つです。
この記事が何かのお役に立てると幸いです。



コメント